・中心で燃える「炭タワー」、串に刺した肴を炭火の遠赤外線のみでじっくり焼き、旨さを引き出す。
・日本古来の囲炉裏を意識した優しい木製フレーム。眺めて美しいこだわりデザイン。
・ごとくと焼き網も付属しているので、鍋料理や焼き網料理もできる。
・炭にもこだわって欲しいから、専用火起こし筒まで付属。「呑休」で炭の火起こしまでできる。
「呑休」は炭火料理とお酒を楽しんで頂くために作り上げた卓上囲炉裏です。
卓上で本格的な炉端焼きを実現することができます。
炉端焼きの一種である「原始焼き」や、網焼き、鍋料理など、お酒に合う肴を調理することができます。
酒の肴を炭火でじっくり焼き、熱燗をちびちび飲んでゆったりと心と体を休めてください。
「呑休」の一番の特徴は、円形のテーブルの真ん中に「炭タワー」を設置していることです。
「タワー」と呼ぶだけあって、テーブルから突き出すように上方に突き出ており、炭を積んで燃やすことができるようになっています。
これは遠赤外線の力を最大限に活かす構造で、その周囲で食材を焼くことで、直火では無く、「遠赤外線のみ」で調理が可能となっています。
この構造は古来から炉端で行われた焼き方、「原始焼き」をアウトドアのテーブル上で実現するために考えたものです。
また、ごとくや焼き網も付属しているので、「原始焼き」だけでなく、網焼き料理や鍋料理も楽しむことができます。
さて、ここからは少しディープな話です。
まず原始焼きとは・・。
原始焼きとはガスも電気もないその昔、魚を串に刺し、たき火の周りに立てて焼いていたことからこう呼ばれます。
焼き魚、きりたんぽなど、昔からの炉端での焼き方です。
特に魚は、魚の口を下にして炭火で焼くことで、余分な水分が飛び、魚の旨味が凝縮します。
滲み出る魚自身の脂で表面パリッと香ばしく、中はふんわりとジューシーに焼き上がるため、「究極の焼魚」と呼ばれています。
上で書いた、「岩魚の骨酒」も遠赤外線でじっくり焼くから作れるのです。香ばしくて旨い、飲みやすい絶品のお酒を味わってください。
普通バーベキューでは炭の真上に食材を置いて、上昇してくる熱で焼くイメージがあります。
食材が炭の横にあっても焼けるの?
これを説明するためには、遠赤外線のことを知ってもらう必要があります。
赤外線は光の一種です。
私たちが見ることのできる光(これを可視光線と言います)と同じ仲間なのです。
光には波の性質がありますから、波長を持っています。
そして、光の色のちがいは、実はこの波長のちがいなのです。
0.78μm(ミクロン)より長い波長のものを赤外線と呼び、特に3μm~1mmの波長領域にあるものを遠赤外線と呼びます。
遠赤外線は光の一種ですから、空気の流れの影響を受けません。炭から四方八方へ放射されています。炭の上ではなく、真横に食材があっても焼き上がるのはこのためです。
炭火の真上では対流によって食材の水分がとられていきますが、横に食材を置くことによって、赤外線のパワー(輻射熱)だけで焼くことができ、さらに美味しく焼き上げることができます。
ただ、光の一種なので、距離の影響を受けます。炭からの距離を離すと、パワーは下がります。ですから炭からの距離を調整して、火力を調整するのです。
水、食品などは、吸収波長領域が2μm~20μmの間にあるものが多いのですが、遠赤外線はちょうどこの波長であるため、食品に熱を良く伝え、浸透させることができます。
この遠赤外線が食品に熱を良く伝え、浸透させるという性質が、とても重要になってきます。
赤外線は食材の中、数ミリにまで達して、表面が焼けると同時に中まで素早く火が通ります。
表面組織を一気に硬化させるため、うま味を外部に逃がしません。
このため魚などは中まで焼け、臭みがなくなりやすく、皮は適度な焦げで美味しく焼き上がるのです。
これが食材を美味しくする遠赤外線の力なのです。
炭タワーの周囲のプレートには、魚などを刺して焼くための太い竹串用の大きい穴と、焼き鳥などを刺して焼くための細い串用の小さい穴の2種類の穴が空いています。
その穴に直接挿してしまうと、串が傾いてしまうため、それぞれの串用のアタッチメントが付属しています。
アタッチメント(大)は大きい穴用で内径6.5mmとなっています。これはバーベキュー用竹串として市販されている竹串に装着できます。
また、アタッチメント(小)は内径3.5mmで焼き鳥用の竹丸串に適合します。
アタッチメントはそれぞれ6個づつ付属します。
「呑休」にはごとくが付属しています。これを使用することで、炭の上方でお湯を沸かしたり、鍋料理を愉しむことができます。
また、ごとくは2段階で高さ調節が可能なので、火加減の調節も容易です。
また焼き網も付属しており、ごとくに焼き網を載せることで、網焼料理も愉しめます。串に刺さずに焼きたいモノや、炙り料理などにお使い下さい。
日本酒は温めることで旨みが増し、温度が高いほど角がとれるため、冷酒や常温では個性が強い日本酒も、燗酒にすると口当たりがまろやかなお酒に変化します。寒い季節にはなおさら熱燗がぴったり。
「呑休」で燗酒を楽しみましょう。
じっくり焼いた岩魚に日本酒を注ぎ、魚のだしを日本酒に移して飲む「岩魚の骨酒」も絶品ですよ。
燗酒をつける一番の方法が湯煎です。
コッヘルなどをごとくに載せお湯を沸かします。お湯が沸いたら徳利に9分目ぐらいまで酒を注ぎ入れ、好みの温度に仕上げます。
酒豪の方はコッヘルより4号飯ごうがお勧め。実は飯ごうの曲線が「呑休」の曲線にジャストフィット。熱を受ける面積も広くて効率が良く、少ない湯量で徳利2本の燗酒が作れます。
徳利は重たくて割れそうで嫌という方は、アルミ製チロリがお勧め。アルミ製チロリは、割れない、軽い、安いと3拍子揃っています。
そのままお猪口に注げますし、コップとしても使える。
「呑休」で燗酒を楽しみましょう。
「呑休」を使いこなすためには炭についても理解して頂く必要があります。
一口に「炭」といっても、沢山の種類があります。
炭には黒炭(国産、海外産)、白炭(備長炭)、オガ炭、成形炭などがあります。
それぞれの特徴を表にしました
呑休を使いこなす上で、一番のお勧めはオガ炭です。炭の中心に穴が空いた、ちくわのような炭です。
燃焼時間、火力、匂いとも問題ありません。
価格もそこそこなのでOK。好きなサイズに割って使用することができるので、火力調整にも便利です。
炭火料理のプロが好んで使用するのもうなずけます。
安定した高火力が長時間続くので、安い黒炭のように大量に火起こししておく必要もなく、消火した後、保管して再利用も可能です。
結果的にはオガ炭が一番コストパフォーマンスが良いと思っています。
ただし、オガ炭にも色々ありまして、海外産のオガ炭は材料の質が悪く、灰の量がとても多いです。
通常のバーベキューでは問題にならないと思いますが、「呑休」は炭タワーが露出しているので、風があるときに灰が沢山出てくると、
食材に灰がついたりします。
また、オガ炭の表面に灰がつくと灰が炭に被った状態になり、火力が落ちてしまいます。安定した火力の維持が難しいのです。
なのでちょっと価格は高くなるのですが、美味しい肴を作るために、「呑休」には国産オガ炭を是非お使い下さい。
その他の炭に関してですが、
・備長炭は爆跳(ばくちょう、炭がはじけ飛ぶ現象)のリスクが高いため使用しないようにしてください。
・その他の黒炭、成形炭も火力が低く灰が多いため、使わないようにしてください。
呑休を楽しむために、是非炭にもこだわって頂けますようお願いいたします。
「呑休」には専用火起こし筒が付属しています。今まで火おこし器まで付属している焼き台はほとんどありません。
なのになぜコストをかけてまで火起こし筒がついているのか。
上で国産のオガ炭を使用して下さいと書きました。しかし、オガ炭は着火しづらいのが大きな欠点なのです。
火おこし器を使わなければ、着火にとても苦労すると思います。
別途買って頂くのも申し訳ありませんし、お金がかかります。収納にも場所を取ると思います。
ですから、「呑休」の炭タワーにサイズを合わせた、専用の火起こし筒を用意することにいたしました。
すべては美味しい肴を作るため。
これで、「呑休」上で着火しづらいオガ炭に火を点け、そのまま使用することができます。
ただし、火力の強い着火剤を使って、少しだけ待って頂くことは必要です。
「呑休」での着火手順は次のような感じです。
①火床底部のロストルを外して、着火剤を置く。火力の強い着火剤を3個ぐらい使用して下さい。
②ロストルを着火剤の上に置く。
③着火剤に点火。
④火起こし筒を丸穴が上になるように火床に挿入。(煙突効果で着火剤の火が一気に大きくなりますので注意して下さい)
⑤炭を火起こし筒へ投入。炭の量は丸穴の下あたりまでにしてください。
⑥炭を投入すると、炭に火が回るまで時間がかかるので我慢して待ちます。
⑦炭全体に火が回っていることを確認します。
⑧上の穴に炭ばさみを入れ、火起こし筒を抜きます。
⑨着火完了。
別売りの炭おこし器を買ってでも、もっともっと高速に着火させたい場合は、弊社「ボルケーノ」のような超高速炭おこし器を別途御購入下さい。
そもそもバーベキューなどで煙の出る原因は
・安い炭を使う
・食材の脂やタレが炭の上に落ちる
の2点です。
上質のオガ炭を使えば使用中はほとんど煙は出ません。
灰が出てきますが、上質な国産オガ炭を使えば最低限に抑えられます。(着火時に着火剤から若干の煤が出ます)
原始焼きをする場合、油は全部食材の下に落ちますから、炭に落ちて煙が出ることはありません。
比較的クリーンに楽しめますので、ご近所迷惑になりにくく、住宅地のベランダやガレージでも楽しむことができます。
(周囲や上方に燃えるものがないかなど、周辺環境には十分注意して下さい)
オガ炭によっては風で灰が舞う場合があります。ご注意下さい。
「呑休」は組み立て式になっています。
脚の部分や炭タワーも取り外すことができ、持ち運べるようになっています。
ただし、炭タワーや火起こし筒は円筒のままで、少し場所を取りますが、火起こし筒は炭タワー内に納まるようになっており、スペースを取らないように工夫してあります。
トートバッグに入れて持ち運べるようになっています。
トートバッグは別売り・・なんてことはありません。標準付属にいたします。
(トートバッグのデザインは変更する可能性があります)
組立は部品を積み上げていくだけなので、とても簡単です。工具も必要ありません。
組立の様子をご覧下さい。
火を使うアウトドアグリルでは珍しく、「呑休」では外枠フレームに「木」を使っています。
やっぱり古来の囲炉裏の枠といえば「木」。そのイメージを再現したく、あえて採用いたしました。
材料は厚み約25mmの松の集成材を使用。そこから切り出して、削って磨いて仕上げています。
フレームはできるだけ大きな円形にし、角もできるだけ大きな円弧で落として優しくなるようにしています。
シンプルですが、心を癒やすようなデザインになるよう心がけました。
それもこれも「これぞ卓上囲炉裏」と言えるものを作りたかったからです。
森に囲まれた長野県発、木を使った優しいデザインを是非お楽しみ下さい。
なお、木材はキズ等がつきやすく、炭が落ちれば焦げたりもします。
経時的には歪みも発生いたします。それも「味」としてお楽しみ下さい。
「呑休」は弊社で設計しデザインしました。木製品は柳沢木工所様にお願いいたします。
そしてその他の金属部品も国内の工場で生産することが決定しています。
金属部品の製造は、こちらも長年板金加工に携わってこられた信頼できる工場に依頼します。
そして最後に検品、組立、梱包、出荷を弊社で行います。
メイドインジャパンです。品質に関してはお任せ下さい。
「呑休」の主要部品の素材にはステンレス鋼を使用しています。
材料の板厚は一部を除いて2mmという厚いものを使用しています。
ステンレス製の丈夫な金網も付属します。
2mmの厚板は熱による変形にも強く、長持ちします。
なお、炭タワーの一部部品には、鉄鋼に表面処理した部材を使用しています。経時的には錆が発生する可能性があります。
開発のきっかけは、とあるお店で「原始焼き」の岩魚を食べたこと。皮はパリパリ中はしっとり、骨も食べられました。
このおいしさに、頭を打たれたような衝撃を受け、これをアウトドアでも再現できないだろうかと思うようになりました。
早速、要素評価のできる試作を製作し、火力や炭までの最適な距離など、研究を行いました。
最初にその成果を導入したのが、弊社製品の「RINDO」です。「RINDO」は焚火台やバーベキュー、かまど料理など幅広く使えるアウトドアギアです。
「原始焼き」の機能を取り入れた「RINDO」は本年8月から販売開始しております。
この「RINDO」の開発と平行して、「呑休」の開発は進められました。「RINDO」は色々使えるマルチパーパスツールでしたが、もっと「原始焼き」を主役としたツールを作りたいという思いが強かったのです。
上にも書いた「これぞ卓上囲炉裏」を作りたかったのです。
当初はオールステンレスで開発していましたが色々とアドバイスを頂く中で、木の優しさを取り入れたデザインを採用するなど製品は熟成し、「呑休」は完成いたしました。
使用できる炭を限定するなど、ちょっと尖った製品になってしまいましたが、このこだわりが理解できる方、是非試していただけますとありがたいです。
外形 : 440x440x248mm (ごとく使用時の最大高さ 322mm)
重量 : 3.9 kg (火起こし筒除く)